2011-06-12

桐たんす同窓会 NO11

 (桐たんす同窓会NO10からの続きです・・・)

 安房トンネルを抜け、長野県に入り梓川沿いにR158を15キロほど下った先にあるのが奈川渡ダムによって堰き止められて出来た梓湖です。ちなみに、奈川渡ダムは「ながわどダム」は読みます。
 いつもは道から横目でチラリと見るだけで素通りの場所ですが、今回は「ヒッチハイクの若者」をお断りした意味でも、ちと立ち寄ってみました。(汗)

 このダムの完成は昭和44年11月だそうです。
 言うまでもなく水力発電の為のダムです。
 その堤高の高さは155メートル、同じアーチ式コンクリートダムとして黒部渓谷にある黒部ダムの186メートルに次ぐ当時日本第2位の高さを誇ったそうです。(その後、温井ダムが完成し、現在では日本で3番目らしいです。)

 普段は堰堤の上を車で通過するだけなので、ダムのサイズを実感していませんでしたが、改めてみるとなるほどデカイです。(あっ、ダムの堰堤がそのまま国道です。考えてみるとこれもある意味凄い。知らんけど、他にもあるのでしょうか?)
 これ。すべてコンクリート。
 よくもまぁ、こんなものを造ったものだ!と感心してしまいます。

 でも、震災のこともあったせいか、「しっかし、これがなんらかの想定外の出来事で決壊することは果たして本当にないのだろうか!」とダムを見ろしながら、そんなネガティブなことを考えてもしまいました。^^;

 いやっ、水を溜めるとはまさにエネルギーを溜め込んでいることです。
 この湖に溜められる総貯水容量は123,000,000 m³。桁が多くてよく分からないですが、まぁ、1億トン以上です。
 その水量は長野県最大の湖である諏訪湖の約2杯分だそうです。
 この膨大なエネルギーが蓄積されているダムが、まさに「想定外」の直下型地震に襲われ決壊することは「100%ない」と果たして言い切れるのでしょうか。

 そして、もし万が一にも決壊したならば、いったいどんな被害が発生するのか想像すらつきません。
 その昔、フランスのあるダムが決壊した話をテレビか何かで聞いたことがありました。
 名前などを完璧に忘却してしまったので、ネットで調べてみたら「マルパッセダム」ということでした。^^;

 そのダムの決壊は地震などではなく岩盤の強度を過大評価した(評価手法が十分に確立されていなかった)為に、急激な水量増加に耐え切れず岩盤が自然崩壊、次いで堤体も崩壊に至ったものであるそうですが、流れ出た水は高さ40m、時速70kmの速度で下流の村々を襲ったそうです。
 当然、多くの被害を生みました。
 事実、奈川渡ダムはマルパッセダムの決壊直後の建設だった為に、安全を考慮して当初の計画より堤高を低くしたそうです。

 しかし、奈川渡ダムはそれでもその倍以上の規模、しかもすぐ先には長野県第2の都市の松本市があるのです。

 想定外の天災であっても、一たび事故が起きれば、やはり人災ということになるのだろうか。
 その賠償責任はやはり東電が負うのだろうか。
 そして、世論はダムは危険となり、日本全国の水力発電所が「廃止」の方向になっていくのだろうか。
 再び、「脱ダム宣言」が復活するのだろうか。

  巨大なダムと豊かなダム湖一杯の湖水を見ながら、ふとそんなことを考えてしまいました。(汗)

 とはいえ、水のある風景は心が和むのも事実です。
 ということで、残りはアルバム系で・・・(と安易な展開ですみません^^;)


 さて、いくら急ぐ旅ではないといっても、さすがにいつまでも道草を喰ってもいられません。
 日が暮れる前に松本に着きたいものです。
 では、そろそろ参りましょう。

 ということで、あと、もう1回だけ続きます。^^;

 < Nikon D700 + AF-S Nikkor VR28-300mm F3.5-5.6G >

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