2014-01-12

オープンドライブ トンネル編


 (オープンドライブ荒船湖編からの続きです…)

 荒船湖を後にして、国道254号線を西へ進みました。
 荒船湖から先はまさに峠道、九十九折の山坂道がしばらく続きます。しかし、オープンエアのぷ~ちゃんは矢のように疾走してくれました。
 そして、群馬長野の県境に掛かる内山トンネルのちょうど中間地点、そこで予期せぬ事態が発生したのです。

 走行中、突然、前輪がピッと一瞬、空回りしたと思った瞬間、ダッシュボードのメッセージパネルに「engin system fault」の文字とビープ音が!(汗)
 同時にアクセルを踏んでも車は減速するばかりの状態に陥ったのです。
 これまでもトラブル続きのぷ~ちゃん、いつもなにかエラーが発生した時はエンジンを一度切り、再始動すると復帰したので、すぐにそれを行ってみました。

 でも、ダメ!まったくダメ!です。

 何度、イグニッションキーを捻ってもセルが空回りするだけで、エンジンが再び掛かることはありませんでした。


 甘かったです。いくら最近調子が良かったとはいえ、おフランスの虚弱体質であるぷ~ちゃんを信じてしまったのはまさにスィートシンキングでした。
 群馬長野の県境をつないでいる内山トンネルはその長さ1254m。古いトンネルなので照明も暗くほぼ暗闇と言っていいほどです。そのほぼど真ん中で片側斜線を封じるようになんとぷ~ちゃんはエンストしてしまったのです。

 焦りました。いや、人生最高といっていいくらい焦りましたよ。

 とりあえず、ハザードランプをつけてチャップを残し、ぶ~こと共に車から下りました。
 しかし、トンネル入り口から後続車がものすごい勢いでやってきます。
 「ヤバイ!このままじゃ桜塚やっくんになってしまう!」
 そんな思いを抱きながら、ぶ~こと二人、白いマフラーを道路上で振り続けました。
 国道254号線は交通量が比較的少ないのですが、逆にその分ストレートなトンネルはかなりの勢いで飛ばしてくるのです。しかも大型トラックが多いのです。後続車両がちょっと余所見でもすれば追突されることは十分に考えられます。
 恐怖と戦いながら、しばし交通整理をしていたのですが、このままではラチがあきません。
 幸い、トンネル内で携帯が通じたのでとりあえずJAFへ連絡しました。
 ただ問題なのはとにかくトンネル内に他の車が入り込むともの凄い音なのです。まったく通話が聞こえません。
 何台も車をやり過ごし、ようやく場所を伝えてレッカーを待つことにしました。しかし、県境の山の中なので早くて45分ほど掛かるとのこと…
 JAFのおねえさんに「とにかく危ないので至急警察へ連絡してください」と云われ、続いてすぐに110番しました。
 しかし、これまた困ったのがエンストしている場所の問題でした。
 県境のトンネル内のほぼ真ん中なので現在地が群馬なのか長野なのか分からないのです。ようするに群馬県警が出動するのか長野県警が出動するのか…(汗)
 「現在地は群馬ですか?長野ですか?」と訊かれて「そんなの分かりません!」と答えるしかありません。
 「どっちでもいいからとにかく早く来てくれ~!」
 「危険ですので車外へ出て安全な場所に退避していてください!」
 「分かりました!」と返事はしたもののオープン状態のぷ~ちゃんの中にはチャップが「いったい、何が起きてるの?」ってな顔でポツリとたたずんでいます。
 かといってチャップを真っ暗な車外に出したらもっと危険ですし、リードで抑えるにしてもぶ~この行動が封じられてしまいます。
 それからしばらくの間は人生で最悪の恐ろしい時間を過ごしました。

 時間にしてどのくらい経った頃でしょうか、サイレンと共に赤色灯まわして白バイがやってきた時には嬉しかったぁ~!
 はしゃぐように「ここで~~す!」と思わず手を振ってしまいました。
 白バイはぷ~ちゃんの後ろに停車すると赤色灯のポールを最大限上に引き伸ばしました。
 そして「レッカーの手配はお済ですか?時間はどのくらい掛かりますか?」と尋ねられました。
 腕時計を見るとJAFに電話をしてから15分ほど経過していました。
 「あと30分くらいかと…」
 「うーん、30分か…危険ですので車からなるべく離れていてください!」
 「はい…」
 そして、白バイ隊員の交通整理が始まりました。


 実に格好いいお姿です。おまわりさんがこんな頼もしく思えたのは生涯初のことでした。(汗)
 その後、パトカーが3台、さらに白バイが1台やってきてトンネルの中はぷ~ちゃんを囲んで赤色灯でお祭り騒ぎのようになってしまいました。^^;
 JAFのレッカー車も予定より15分ほど早くやってきてくれました。
 そして、ようやくトンネルから脱出。
 おまわりさんたちは安全の確認が取れると何事もなかったように立ち去っていきました。ありがとうございました。長野県警の皆さん。(敬礼!)


 レッカー車に乗せられたぷ~ちゃんはJAFの佐久ステーションへ。
 くりまんじゅうとぶ~こ、そしてチャップもレッカー車の助手席へ乗せてもらいました。
 JAF会員の場合、牽引は15キロまで無料です。しかし、佐久ステーションまでは18キロあったので、3キロ分の料金として2100円(1キロ700円)をお支払いしました。
 しかし、そこから更に群馬まで牽引してもらうと5万円ほど掛かると言うので、いつもお世話になっている知り合いの自動車屋さんに連絡を取り、群馬から迎えに来てもらうことになりました。
 ちなみに後から知った話ですが、最初に自動車保険のロードサービスへ連絡すれば全国どこからでも指定工場へ牽引無料だったのだそうです。(くりまんじゅうの入っている保険の場合。但し、年1回のみ)
 レッカー車がやってくる間、とにかくぷ~ちゃんの屋根を閉めようとマニュアルを見ながらJAFの隊員さんと格闘しましたが、結局、閉めることは出来ませんでした。
 電動なのにエンジンが掛からないと作動せず、マニュアルには緊急用に手動で閉める手順も書いてあるのですが、マニュアルで図解してある場所に肝心なロック解除のプルレバーが見あたらないのです。^^;
 この辺りもさすが「ザ・おふらんす」です。(汗)
 結局、約1時間後、代車を乗せたレッカー車が群馬からやってきました。
 ぷ~ちゃんはオープンのままレッカー車へ。そして、くりまんじゅうたちはレッカー車に積んで来た代車(マツダファミリア)へ乗り込み群馬へ帰ることになりました。

 ちなみにぷ~ちゃんのエンジントラブルは走行中にタイミングベルトが切れたという非常に深刻なものでした。
 メーカーで修理すれば100万円コースになってしまいますので、それはありえません。
 くりまんじゅうは既に廃車の方向で考えていますが、知り合いの自動車屋さんは、廃車予定の307ccが見つかったら、そこからエンジンごと乗せ換えをすれば安く押さえられると現在(1/12)もまだ自社のガレージに置いていてくれています。しかも、オープンのまま(汗)

 しかし、ぷ~ちゃん、やらかしてくれるにも程があります。
 そして、この恐怖の一件よりトンネルがトラウマになってしまいました。
 トンネルを通るのが怖くて仕方ないのです。
 今回、運良く無事脱出できましたが、一歩間違えれば大事故になってしまう可能性もありました。
 皆さんもなにとぞお気をつけ下さい。

 また、ぷ~ちゃんが臨終された時は改めてご報告いたします。(合掌)

 後になってからトンネル内にエンスト中のぷ~ちゃんの写真を撮っておけばよかったかと思いましたが、その時はそんな余裕などまったくなく、写真はJAFの佐久ステーションでのものです。^^;

 以上


 <Nikon D700 + AF-S NIKKOR VR28-300mm F3.5-5.6G >

20 件のコメント:

  1. さきちゃん2014年1月12日 8:45

    はじめまして。高崎在住の「さきちゃん」といいます。
    この度は大変でしたね。ご無事で何よりです。

    2010年春にこちらに来てからずっと(楽しく)拝見しております。
    いつもROMでしたが、今日は初めて書き込みます。
    4か月で高崎ではノーカーライフは無理だと悟り、プジョー207(新車)を購入しました。
    納入後1・2週間でナビの不具合。(地図読めない私は、来県した両親の群馬観光を断念。)
    その後ずっと、フランス車は助手席ドアは内側からしかあかないのだと思いこみ、
    たまに同乗者がいる時は運転席から身を乗り出して開けていました。
    他の人から、そんなはずはないと聞き、メンテナンスの時に説明し直してもらい帰宅後、
    今度は内側から開かなくなり(!)、次の機会でやっと通常になりました。
    他にも加速や坂道でう~ん・う~んいって馬力がないし、こんなものなのでしょうか?
    東京在住以前はオペルに乗っていましたが、このようなトラブルや馬力不足を感じ事がなかったのです。
    オープンカーが好きで、購入当時この車の色が群馬には1台もないと言われ買っちゃっいました。
    ルックスは好きなんで、このまま乗ります。今回は愚痴を聞いてもらいたくて・・・。

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    1. さきちゃん、こんにちは。
      初書き込みありがとうございます。
      しかも、2010年の春からこんなくだんらんブログを見てくださっていたそうで、重ねて感謝申し上げます。
      そうですか。愛車は207ですか。
      お話のご様子だとやはりなかなかのツワモノのようですね。(汗)
      しかし、ドアの開閉トラブルはイタフラ車は付きものの様ですね。
      もう20年以上前の話になってしまいますが、当時乗っていたフィアットとルノーでも泣かされました。
      あと、それ以上に発生確率が高いのが「窓落ち」
      幸い、私は307CCでは経験しませんでしたが、イタフラ車に乗る知人たちはとにかくこいつに泣かされているようです。
      今後とも、愚痴でもかまいませんのでコメントお待ちしております。
      よろしくお願いいたします。

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  2. おはようございます(あけおめことよろし(^^)

    >エンジントラブルは走行中にタイミングベルトが切れたという非常に深刻なものでした
    すごい状態ですね、タイミングベルトが走行中に切れちゃうと、エンジンに付いているバルブをピストンで壊すのでシリンダーヘッドやその周辺はボロボロですね。。
    同型車のエンジンを載せ替えが安く付く手段でしょうね。
    トンネル内でのレポートは参考に成ります、怖い思いが伝わってきます
    家にも20年を越えた軽トラックが今も動いてるのですが、まだ1回しかタイミングベルト交換していませんから、今年あたり買い替えですね。

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    1. おたけさん、こんにちは。
      改めておめでとうござます。(新年及び初孫ご誕生)
      はい、仰るとおり、修理はほぼ不可能な状態になってしまいました。^^;
      個人的には廃車方向で考えているのですが、知り合いの自動車屋さんが色々と頑張ってくれているのでとりあえず様子見状態です。
      タイミングベルトが切れてしまったのは人生2度目ですが、トンネル内で止まってしまったというのは初体験です。マジ、恐ろしかったです。
      軽トラ、20年ならそろそろ交換時期ですね。

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  3. 大変でしたね、でも無事でよかった。
    今度は安全第一でドイツか日本の普通の新車のほうがいいかもしれませんね。

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    1. Hiroinouyeさん、こんにちは。

      正直言って、ラテンの車はもうコリゴリという思いもあるのですが、ドイツ車や日本の普通の新車は高くて手が出ないこともあり、さ~てどうしようかと考えています。(汗)
      しばらくは代車のファミリアでいいかなぁ…とも思っていたり…

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  4. やってくれましたね。
    ネタのように書かれていますが、これは恐怖でしたね。
    やはりぷーちゃんの好調は、ろうそくの最後のゆらめきだったのでしょうか?
    マジで、廃車が良いと思います。
    お気の毒さまでした。

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    1. はりーさん、ドモです。

      はい、やってくれましたよ。
      ここ半年ばかりノントラブルでしたので「まさか、ここで!」と完全にやられたという気持ちです。
      ろうそくの最後のゆらめき… 確かにそうだったのかもしれませんね。
      まっ、しかし、オープンの姿で逝ってしまったのですから、本望でしょう。^^;

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  5. オリバーママ2014年1月13日 12:54

    こんにちは。オリバーママです。

    この度は,大変でした。

    白バイ隊員。確かにカッコイイですよね~。
    白いネッカチーフがに合うのは,あの方たち以外にいらっしゃらないのでしょうか。
    白バイといえば,交通機動隊。くりまんじゅうさんの記事を読んで思い出したことがありました。

    以前,職場でちょっとした事件があり帰りが遅くなったことがありました。
    そんな深夜,交通機動隊に速度違反で捕まり,職業と勤務先を聞かれました。
    警:「○○中ですか~。山の中の学校だから,素朴な生徒さんが多いんでしょうね~,いいですね~。」
    マ:「…素朴な生徒だったら,こんなに帰りが遅くなりません…。」
    警:「!!!!!失礼しました(汗)。」

    ママはなかなか警察の方が頼もしく思えるような場面に遭遇したことはありません。
    同じ公安職でも,パパの業種は純粋に“ヒーロー”なイメージをもっている方が多いようですが,警察の方は本当に大変&割に合わないこともあるんでしょうね。

    とにかく,みなさまが無事でよかったです。
    ぷ~ちゃん,今後はどうなるのでしょうか。とても気になります。

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    1. オリバーママさん、こんにちは。

      去年の春、しゅ~ちゃんに「どこでどんなオープンカーを見ても、くりまんじゅさんの車が一番格好いいって思う」と云われたのに…
      もう、シスターズたちを乗せてあげられないと思うと胸が痛みます。^^;
      確かに普段、警察官というのは怖い対象ですが、今回、初めて頼もしいと心の底から思いました。
      偏見を外し、素直に感謝しなければいけませんね。

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  6. ご無事で何よりです!
    まさにシャレにならない事態でしたね。
    想像しただけで怖いです^^;

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    1. こしたまさん、こんにちは。

      コメント、ありがとうございます。
      いや、マジで恐ろしい経験をいたしました。
      災難は忘れた頃にやってきますので、是非、お気をつけ下さい。

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  7. ご無事で
    我が愛車もタイミングベルトの交換時期です。
    人事ではありません。


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    1. FUNKY★DOGさん、こんにちわ。
      ありがとうございます。命拾いをいたしました。
      タイミングベルトなんて滅多矢鱈に切れるものではないと思ってましたが、切れるときには切れるのですね。
      是非、適切に交換してあげてください。

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  8. たいへんでしたね〜。
    私もトンネル内で経験がありますので、その恐怖わかります。
    その場所を通ると、胃がキュッと痛むのです。意識していなくてもそうなるのです。
    しばらくトラウマとなりますね。

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    1. kenさん、こんにちわ。
      そうですか、kenさんもご経験がございますか・・・
      しかし、あの恐怖は体験してみないとわからないかもしれませんね。
      ここ30年近く、車が走行中に止まるなんてこと考えてみたこともなかったので余計でした。
      二度とコリゴリです。^^;

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  9. たっつぇー2014年1月19日 8:33

    初めてコメントさせていただきます。私も横浜で307ccを乗ってます。
    307cc購入時にこちらのブログを参考にさせて頂いてから拝見しております。

    トンネルの中で走行不能はとても恐怖だったと思います。ご無事で何よりでした。
    エンジン見つかると良いですね。故障の不安がなければ、楽しい車だと思いますので。
    わたしはタイベル交換時期を、走行距離50000Km目安に考えているのですが、遅いのでしょうか?
    ちなみに、わたしの307ccは昨日窓が落ちました(ノ*゜▽゜*) 此方は晴れているので助かりました。

    写真も好きで楽しく拝見しております。

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    1. たっつぇーさん、こんにちは。
      初コメント、ありがとうございます。
      たっつぇーさんも307ccをお乗りですか…
      そして、この度、窓落ちされたとのことで、心よりご同情申し上げます。
      でも、オープン時ではなかったのですね。
      ちなみにフロントでしょうか、リアウインドウでしょうか?
      小さいけれどリアの方が高額出費になるそうなのでリアだと痛いですね。
      メーカー(プジョー)ではタイミングベルトの交換は7万キロを目安にしているという話を聞いたことがありますが、色々と聞く話では5万キロ程度が安全らしいですね。
      私は38000キロで一度交換、そして28000キロでぶち切れてしまいましたけど…(泣)

      楽しい307ccライフをお過ごし下さい。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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    2. たっつぇー2014年1月21日 8:19

      こんにちは。
      私の307ccの窓落ちの原因は、モーターを取り付けているプラスチックの割れが原因でした。
      持ち込んだ購入店でちょっと加工を施して割れた部分を固定して取り付けて修理が完了しました。
      その他のエラーも修理して頂き、合計3時間ほどに及ぶ作業だったのですが、無償で作業をしていただけました。
      江ノ島の駐車場に着き駐車券を取って窓を上げようとした時に起きたものですからがっかりでした( ´∀`)

      ちなみにタイベルの話もしてみたところ、28000キロで切れることは考えられないとのことでした。
      取り付けの不具合が原因じゃないかともいってました、ダメもとで一度交換したお店に出向いてみるのも良いと思います。

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    3. たっつぇーさん、こんにちは。

      無償で修理をして貰えたのでしたら良かったですね。
      まだ購入してあまり日が経っていなかったのでしょうか。
      良心的なお店ですね。
      どうも、私の307ccは根本的にエンジンに問題があったようです。
      実は38000キロで交換した時も切れる寸前でした。^^;
      詳しいことは分かりませんが、どうもタイミングベルトが徐々にずれてきてしまうみたいなのです。
      まっ、しかたありません。
      現在、オークションでエンジン待ちです。(自動車屋さんのお話)
      先日、1台出たそうなのですが、水没車ってことで見送ったそうです。^^;

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